ぜったいに。


 

2011年3月11日、14時46分。

あの日から、きょうで丸一年。


すごく長かったような、あっという間なような、
ずっと走ってきたような、心のどこかがまだ立ち止まっているような、
ふしぎなふしぎな一年でした。

去年のあの日、東京も電車が全部止まり、ものすごい人の波のなかを
早足で何時間も歩いて家に帰る途中、
いったい東北はどうなっちゃったんだ、これから日本はどうなってしまうんだと
頭の中がぐるぐるとして、怖くて、泣けてきて、

そのあとの数日も、毎日ずっと泣きそうな気持ちで、
余震とか、衝撃的なことばかりのニュースとか、節電とか、
そういうものとずっと、向き合っていました。

あのとき自分は、なにかしないと怖くてじっとしていられなくて
一枚の絵を描いたのですが、
その絵でたくさんの人と同じ気持ちを共有することができて、
被災地のど真ん中にいるわけではない自分だったけれど、
すごくすごく救われて、ひとつ、視界が開けた気がしました。





あのとき、この絵を大切にしてくださったすべての方に、今一度。
ほんとうにありがとうございました。

救われました、嬉しかったです、ってたくさん言っていただいたけれど、
その言葉や想いにわたしがいちばん救われて、わたしがいちばん嬉しかった。


今日描いたベガッ太さんの絵は、あのときの絵からの続いているいまのこと。
天に向かったひとさしゆびは、遠くの空から見守ってくれている誰かに届くように。
背中のピンクの毛布は、あの日かけてくれた誰かの想いといつまでも共にあることを。

いまのベガッ太さんの背中に、すべての思いを託しました。

わたしたちはぜったいに震災の日のことを、忘れない。
そしてぜったいに、負けない。

あの時と同じで、今回描いていない被災地チームのマスコットくんや全ての人の想いも、
その背中に宿っていると思って見て下さったらうれしいです。


そして。

震災の後はしばらく、サッカーのない日々が続いていて、
Jリーグが生活に戻ってきたとき、一歩進んだ気がして、本当に嬉しかった。

そんなわたしの応援するレイソルは、今日ホームの開幕戦です。

きっと、あのとき地震があったその時間には、選手たちはボールを追いかけ、
勝利のために走っているのでしょう。

わたしはそれを、幸せなことだと思う。

前に進む力をくれたサッカーが、一年めのいま、
力強くわたしたちのそばにいてくれることを、ただただ、大切にしたいです。


一年たっても、何年たっても、同じ。
乗り越えるときは絶対にみんなで。

ひとりじゃなくみんなで、いっしょにがんばっていきましょう。


『ぜったいに、ぜったいに、負けねぇぞ!』