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あの日から、3か月。
ベガッ太くんは、モーヴィくんに会いに神戸にきました。
「ひさしぶり!げんきだった?」
「会いたかったよ!」
![](https://hatame.com/wp-content/uploads/old/20110703_1105083.jpg)
挨拶が終わると、すぐにモーヴィくんはいいました。
「今日はベガッ太くんに見せたいものがあるから、いっしょにきてほしいんだ。」
「うん。」
そういって二人は、神戸の街を歩き出しました。
![](https://hatame.com/wp-content/uploads/old/20110703_1105084.jpg)
しばらく歩いていくと、モーヴィくんは振り返って言いました。
「ベガッ太くん!」
「ぼくが連れてきたかったのはここなんだ。
これが、ぼくがしってる、
いちばん美しい、”復興のすがた”だよ。」
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そこに見えたのは、美しい美しい神戸の街。
光をあびて、キラキラと輝く神戸の街と海でした。
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「……………」
「ぼくたちにできたこと、きみたちにだってきっとできるもの。」
「街を愛するのは、おんなじだもの。」
ベガッ太くんは、その言葉を聞きながら美しい神戸の街を見て、
大好きな東北のこと、仙台のことを思い出していました。
![](https://hatame.com/wp-content/uploads/old/20110703_1105088.jpg)
「…うん。」
![](https://hatame.com/wp-content/uploads/old/20110703_1105089.jpg)
「…いつか、きっと、今よりももっともっときれいになった東北に、
ぜったいに遊びにきてね」
「うん、ぼくは行くよ。
ぜったいに!」
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モーヴィくんとの別れのとき。
ベガッ太くんはめいっぱい手を振りました。
「モーヴィくん!またね!」
「またね!」
「ぼくたちがみんなで、愛する街にたくさんたくさんしあわせはこべるように!」
「うん!がんばろうね!」
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胸にいっそうの強い決意と、あたたかい気持ちを抱えて、
ベガッ太くんは神戸の街をあとにしました。
そして、あの日から、100日。
こんどもベガッ太くんには行くところがありました。
![](https://hatame.com/wp-content/uploads/old/20110703_1105092.jpg)
ここは新潟駅。
駅につくとすぐ、アルビくんが迎えにきてくれました。
「待ってたよーーっ!」
駅につくとすぐ、アルビくんが迎えにきてくれました。
「待ってたよーーっ!」
![](https://hatame.com/wp-content/uploads/old/20110703_1105093.jpg)
「早く!早く!みんな待ってるから!」
挨拶もそこそこに、アルビくんはベガッ太くんをせかせかと案内します。
![](https://hatame.com/wp-content/uploads/old/20110703_1105095.jpg)
着いたそこはアルビくんの家。
「いらっしゃい!」「まってたよ!」「疲れたでしょう、あがって!」
アルビくんの家族みんなが迎えてくれました。
![](https://hatame.com/wp-content/uploads/old/20110703_1105096.jpg)
「座って、座って。」
たくさんのごちそうの並べられた机に腰を下ろすと、
アルビくんはお茶碗にめいっぱいコシヒカリのごはんをよそってくれました。
「ぼくたちも地震のとき、いろんな人の気持ちをもらって、あたたかいご飯を食べて、
またみんなでサッカーできるようになったんだ。」
「だから今日は、いっぱいご飯を食べて、いっぱい元気をたくわえていってほしいんだ。」
アルビくんがよそってくれたキラキラのごはんをみつめて、
ベガッ太くんはにっこりと
「うん。」
とうなずきました。
アルビくんがよそってくれたキラキラのごはんをみつめて、
ベガッ太くんはにっこりと
「うん。」
とうなずきました。
![](https://hatame.com/wp-content/uploads/old/20110703_1105097.jpg)
ご飯を食べていると、アルビくんの子供たちがやってきました。
「がんばって!ベガッ太さん!」
「いつか仙台に遊びに行ったら、カキをごちそうしてね!」
「もちろん。」
![](https://hatame.com/wp-content/uploads/old/20110703_1105099.jpg)
「…そう…もちろんだよ。
いつか、最高の、宮城のカキを。」
おいしいおいしい新潟のご飯をかみしめながら、ベガッ太君はもう一度、
ひとりでにっこりと、うなずきました。
![](https://hatame.com/wp-content/uploads/old/20110703_1105100.jpg)
別れの時が来ました。
いつまでも手を振るアルビ一家に、手を振りかえしながら大きな声で
ベガッ太くんはいいました。
「みんな、またね!今度は仙台に来てね!いっぱいご馳走するからね!」
![](https://hatame.com/wp-content/uploads/old/20110703_1105101.jpg)
仙台に帰るベガッ太くんの心の中には、いくつもの、
力強い灯りがともっていました。
![](https://hatame.com/wp-content/uploads/old/20110703_1105102.jpg)
ふと空を見上げると、たくさんの星がキラキラ輝いています。
ーきっと、あの星のようにきれいなきれいな街を必ず取り戻して、
モーヴィくん、アルビくん、そしてほかの仲間たちみんなみんな…
日本のみんなからもらったあたたかい気持ちを、いっぱい返すんだ。
絶対に負けないし、今日からもっともっと、やってやるぞ!
ベガッ太くんはたくさんの星にそう誓いながら、
確かな足取りで、だいすきな故郷へと、帰るのでした。
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3か月めに神戸との試合。
100日めに新潟との試合。
あのときに自分で描いた絵のことも思い出しながら、
いつかこのことを絵にしたいと思っていたのです。
わたしの絵がどうこうではなく、おなじ震災を超えたチームと節目に当たること、
この対戦に運命的なものを感じた方も結構いらっしゃったんじゃないかな、と。
(そして試合後、こんな素敵なつぶやきもまわってきました。)
今回描いたのはわたしの勝手な創作ですが、
そんな巡りあわせもちょっとだけ踏まえてみてくださればうれしいです。
それにしてもわたしの描くベガッ太さんは本家に忠実にやんちゃであったり
超素直であったり。。
とりあえずそれも味、的な感じに受け取っていただけると…うれしいです…!(ざわ…ざわ…)
そして、わたしにとってモーヴィさん超おとこまえなのです。
3/19の練習試合でサポさんが持って行ったあの絵のパネル掲げてくれたのを、
わたし絶対に忘れません。
(ちなみにそのときの動画はこちらです。…ひゃああ男前!)
(牛タンとかいってごめんなさいごめんなさい!)
そして今回のを描くまえに、すごくすごく感銘を受けた映像。
見られた方が多いんじゃないかなぁと思いますが、
★2011年6月11日。神戸×仙台@ホムスタの試合前の煽りVTR。
この素晴らしい映像に、わたしの絵まで組み込んでくださっています。
(正確には、絵をパネルにして掲げてくださった方の映像です)
どう書いたらいいかわからないのですが、ほんとうにほんとうに、
ありがとうございました!
でも絵関係なく本当にこの映像はすばらしすぎて泣けちゃうので
むやみに見れません。。おうおう。
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さてさて、さいごです。
またまた長くなってしまいましたー。
昨日は試合でぼろ負けしてヘコーッてなってましたが、
ひとつ、ずっとやりたかったものをあげられて、自分としても心が少し軽くなりました。
これからもゆるゆるがんばりまっすん。
どうぞよろしくおねがいいたします~。
(あっ、敗戦ショックがっつりですがレイソルものも2~3日後にはあげますですよーブヒヒ。。!)